0076 REVUE ILLUSTREE (4)
新刊、他
【ナポレオン フーシェ タレーラン 情念戦争1789―1815】 講談社学術文庫 8/10 発売
以下、講談社サイトより転載
N(ナポレオン)=熱狂、F(フーシエ)=陰謀、T(タレーラン)=移り気
3人の情念運動が、フランスとヨーロッパを席巻し、怒濤の歴史をつくった歴史を駆動するのは情念(パッション)である1789年の大革命から1815年のワーテルローの戦いまで、ナポレオンの熱狂情念が巻き起こした相次ぐ戦争による混乱と怒濤の30年。この偉大なる皇帝の傍らに、警察大臣フーシェ=陰謀情念と外務大臣タレーラン=移り気情念なかりせば、ヨーロッパは異なる姿になったにちがいない。情念史観の立場から、交錯する3つ巴の心理戦と歴史事実の関連を丹念に読解し、活写する。
1789年のフランス大革命から1815年のワーテルローの会戦にかけての時代〔中略〕においては、陰謀情念の持ち主は思いきり陰謀を、移り気情念に憑かれた人物は好きなだけ移り気を、そして熱狂好きな人間は心ゆくまで熱狂を、それぞれ行い、しかも、それによって歴史に活気を与え、歴史を動かすことができた。〔中略〕フーリエ的な情念指数からいえば、高位情念と高位情念がぶつかり合って戦うこの「情念戦争」の時代は、まさに幸福な時代といえたのである。――(「序」より)
※本書の原本『情念戦争』は、2003年集英社インターナショナルより刊行されました。なお、文庫化にあたり、一部改変し、図版を追加しました。
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鹿島茂先生の蔵書紹介
0076 REVUE ILLUSTREE
今回紹介するのは、より正確には『Revue Illustrée』に掲載されたイラストをある個人収集家がまとめて冊子にしたものである。1886年から90年にかけて刊行されたものから編集した一品で、「110 portraits d'homme du 19th C.」という古書店によるメモが値段とともに記してある。イラストは写真を基に描かれたものであり、イラストレーターは同一人でなく複数いる。森鴎外が読んだと言及している − ともに今となっては忘れられた作家である − ジョルジュ・オーネやリュドヴィク・アレヴィから、神経科医のシャルコー、女優のサラ・ベルナールまで収めており、「フェイス・コレクター」としては見逃せない作品だ。