030 PHYSIOLOGIE DU CARNAVAL (1)

講演案内 2007/5/19 メゾン・デ・ミュゼ・ド・フランス
『ヴェルサイユ宮殿と王女たちの香:パリ・フランス文化を知る楽しさ』

鹿島茂先生の蔵書紹介
030 PHYSIOLOGIE DU CARNAVAL / UN VILAIN MASQUE, Illustrations d' Henri Émy (1)



パリ第3大学に籍をおく際、研究テーマを「風俗」として届けたが、実際には古本を集めるのに忙しくなり大学には出なくなった。国立図書館に行っていちいち借りるより買った方がいいと考えたからだ。これをきっかけに19世紀古本の道に入ることになる。
(さて)「physiologie生理学」ものといって、1830-40年代、風俗観察集というものが山のようにでてきた。(今回紹介する)これら「physiologie」の本は、今でいうルポライターが書いており、バルザックも一冊書いている。たいていは挿絵が入っていて、ありとあらゆる職業が取り上げられている風俗ルポものである(Brillat-Savarinブリア=サヴァラン(『Physiologie du goût 味覚の生理学』)が「physiologie」と称してあらゆることを面白しろ可笑しくルポしたのが走りである)。